【コラム】胃カメラ検査を受ける頻度はどれくらい?
胃カメラは「上部消化管内視鏡検査」が正式名称で、口や鼻より内視鏡を挿入して食道や胃、十二指腸などの上部消化管を観察する検査です。
咽頭、食道、胃、十二指腸にできるポリープや炎症、さらにはがんを発見することができるため、40歳を過ぎたら定期的に胃カメラを行うよう呼びかけられています。
胃カメラにはがんを早期に発見し、早い段階で治療を開始できるというメリットがありますが、毎月のように検査を行う必要はありません。
「どれくらいの頻度で胃カメラを行ったらいいのかよくわからない」という方も多いと思いますので、今回は胃カメラの頻度について詳しく説明していきます。
基本的な胃カメラの適切な受診頻度は「1年に1回」
胃カメラの頻度については、専門家の間でも意見が分かれるところになっています。
平均的には、何の違和感もない方(かつ40歳以上)であれば、2.3年に一度の検査が推奨されています。
ただし、過去にピロリ菌に感染して除菌治療を受けた方に関しては、胃がんの発生リスクを考えると、1年に1回は胃カメラを受けるのが望ましいとされています。
ピロリ菌を除菌できたとしてもすぐに胃がんのリスクがなくなるわけではないため、定期的な検査で万が一の時にはすぐに治療を行えるようにしておきましょう。
胃がんの原因の多くはピロリ菌感染
ピロリ菌感染の経験がある方は少し頻度を高めるように、胃カメラをどれくらいの間隔で行うかは、その人の胃がんリスクによっても異なると言えます。
胃がんになるリスクが高いのは、ピロリ菌に感染している人、過去に感染していた人です。そのほかにも飲酒や喫煙、ストレス、栄養の偏りなど、さまざまな要因があります。
ピロリ菌の感染は、自分では気づいていないことも多いため、家族に感染者がいた場合には一度検査を受けてみるのをおすすめします。
ピロリ菌の再感染リスクについて
ピロリ菌に感染していた場合は専用の薬を使って除菌治療を行います。
その後、尿素呼気試験によって除菌成功と判断された場合、ほぼ再発のリスクはないと言えるでしょう。
もし除菌治療後に再感染があった場合には、除菌判定でグレーゾーンだった可能性があります。
前提としてピロリ菌の再感染率は0.2~1%程度とされているため、一度除菌が成功してしまえばピロリ菌再感染の可能性はほぼありません。
とはいえ、一度感染した胃が全快するまでには数年以上を要します。その期間は定期的に胃カメラ検査を行って、もし胃がんが見つかった場合も超初期の治療ができるようにしておく必要があります。
自分の体調と相談しながら、適切な頻度を考えてみましょう
結論としては、何の不調もなく、ピロリ菌感染も見られない場合には2.3年に一度を目安に胃カメラ検査を受けるようにしましょう。
とはいえ、胃がんは初期段階で自覚症状が出ることはほとんどありません。
症状が現れてから見つかるのは進行胃がんであり、食べ物が通過しないようなスキルス胃がん、胃の出口付近にできた大きながんなどは、治療自体が難しくなってしまうことも少なくありません。
もし、胃に違和感があった場合には頻度を気にせず早めに胃カメラ検査を受けることを推奨します。
違和感として多いものは、胃痛や食欲不振、胸焼け、吐き気、体重減少などが挙げられます。
胃カメラで気になることはいつでもご相談ください
当院では、患者様の体調に考慮した胃カメラ検査を実施しています。
事前にきちんとお話を伺った上で、負担の少ない検査を行いますので、気になる異変があった場合にはぜひお早めにご相談いただけたらと思います。
定期的な胃カメラ検査で、健康な体を維持していきましょう。