【コラム】肝臓病とは一体何?原因や症状、治療について解説!
肝臓は、体内の毒素を排泄したり、代謝に必要な物質を作り出したりする役割を担っている大切な臓器です。
そんな大切な肝臓ですが、実は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、病気に気付きにくいという特徴があります。
肝臓病にはいろいろな種類がありますが、基本的には肝臓が機能不全を起こす病気を指します。
よくある肝臓疾患としては、肝炎や肝硬変、肝がん、脂肪肝などが挙げられます。
こうした病気で肝臓が正常に機能しなくなると、体内の代謝や免疫機能、内分泌機能などに異常をきたし、さまざまな問題を引き起こします。
肝臓病の種類と症状
肝臓病でよく見られるものには、以下のような種類があります。
・肝炎:ウイルス感染によって引き起こされる炎症性疾患で、B型肝炎、C型肝炎などがあります。
発熱や倦怠感が起こる急性肝炎、横断や腹水が起こる慢性肝炎に分けられます。
・脂肪肝:アルコールなどによって肝臓に脂肪が蓄積し、肝機能が低下している状態です。
初期の自覚症状はほとんどなく、健康診断で発見されるケースが多いです。
進行するにつれて、疲れやすい、体がだるい、食欲不振などの症状が現れます。
・肝硬変:長期間のダメージや炎症により肝臓が硬くなり、機能が著しく低下している状態です。
黄疸や腹水、倦怠感、疲労などの症状があり、進行すると肝がんや肝性脳症など命に関わる病気のリスクが高くなります。
・肝がん:肝臓にできるがんの一種です。
腹部のしこりや圧迫感、腹痛や黄疸、出血などが現れます。
上記のように、「肝臓病」とはさまざまな病気や状態を包括的に指す言葉であり、その原因・症状も多岐にわたるため、まずは正しい診断を行い、適切な治療を受けることが必要です。
肝臓病の原因①アルコール
肝臓の病気というと、まずお酒の飲み過ぎをイメージされる方も多いでしょう。
実際、アルコールを過剰に摂取すると肝臓に大きなダメージを与え、肝臓病を引き起こすリスクが高まります。
アルコール性肝疾患には、アルコール性脂肪肝、アルコール性肝炎、アルコール性肝硬変などがあり、長期的なアルコールの乱用によって進行することが知られています。
肝臓病の原因②肝炎ウイルス
B型肝炎やC型肝炎といったワードを耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
これらのウイルスは、血液や性行為などを介して感染することがあり、慢性肝炎となって少しずつ肝臓に負担を与えます。
肝炎には急性肝炎もありますが、急性肝炎の場合、重症化するリスクはそれほど高くありません。
肝臓病の原因③薬物や化学物質
一部の薬物や化学物質によって肝臓にダメージを与えてしまうケースがあります。
例えば解熱鎮痛剤に使用されるアセトアミノフェン、植物由来の化学物質アルカロイド、ヒ素、塩素化炭化水素、ジクロロメタンなどが肝臓に影響を与えることがわかっています。
肝臓病の治療方法
肝臓病の治療方法は、病気の原因や進行状況によって異なります。
例えば、アルコール性肝疾患の治療ではビタミン剤の補充や栄養バランスの調整を行い、肝臓の回復を促すことが必要です。
肝炎ウイルスによる肝臓病の場合は、肝炎ごとに合わせた抗ウイルス薬を用いて治療を行います。
肝硬変にまで進行が見られる場合は、腹水の処置など対症療法を行いながら肝保護剤を用いることが一般的です。
薬物や化学物質による肝臓病の場合、原因となる物質を取り入れないようにして肝臓の負担を軽減し、肝機能の改善を促していきます。
さまざまな治療方法がありますが、いずれも軽度のものと重度のものでは患者様の負担も大きく変わります。
早めに病気に気づくためには、定期的な健康診断で肝臓のチェックを行うことが大切です。