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肝炎とは

肝炎とは、肝臓に炎症が起こって肝細胞が破壊されていく疾患です。
日本人の肝炎の原因の約80%がウイルス性肝炎で、150〜200万人程度いると考えられています。ウイルス性肝炎の型にはA・B・C・D・E型の5種類があります。なかでも慢性化しやすいB型とC型の肝炎ウイルスは、他人の血液や体液から感染して広がりやすいため気をつけなければなりません。
そのほかにもアルコールや自己免疫が原因となる肝炎もあります。
B型肝炎
B型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染します。
出産時にお母さんの血液が赤ちゃんの体内に入り、15~30歳で炎症が起こるケースがあります。現在は予防できるようになっていますが、感染した場合は治療が必要です。
また、輸血・臓器移植で感染することもあります。このケースも現在は感染予防対策が行われているため、多くの場合は防ぐことができるようになりました。
現在の感染源としてもっとも多いのは、性的接触です。
C型肝炎
C型肝炎ウイルスに感染すると、慢性肝炎から肝硬変を経て肝がんと進行するケースが非常に多いのが現状です。感染者の約70%が慢性肝炎になるため、早期発見と早期治療が重要です。
C型肝炎ウイルスは、主に血液を介して感染します。
以前は輸血による感染がほとんどでした。そのため感染者の多くが60歳以上の高齢者です。ただし、医療においては対策が進み、医療現場での感染は減っています。
一方で、注射や入れ墨等の針の使い回しが原因となり、近年の感染者としては若年層が増えています。
A型肝炎
A型肝炎ウイルスは、水や食べものから感染します。ワクチン接種によって予防可能です。慢性化することはほとんどありませんが検査などによって早期に対策できるに越したことはありません。重症肝炎になり死亡例の報告があります。
D型肝炎
B型肝炎ウイルスに感染している方のみが感染するのがD型肝炎ウイルスです。血液などを介して感染します。B型肝炎ウイルスとD型肝炎ウイルスが重感染することになり、肝炎の悪化につながるため早期治療が大切です。なお、D型肝炎ウイルスは日本では非常にまれであり、感染例はほとんど報告されていません。
E型肝炎
E型肝炎ウイルスは、主に獣肉から感染します。特に豚・いのしし・シカなどのお肉から感染します。日本にいる獣(飼育下の家畜を含む)でも高率にウイルス感染をしている報告があり、生肉を食べるのは大変危険です。お肉を食べるときはよく加熱しましょう。重症になると急性肝不全となり、命を落とす場合があります。
基本的に慢性化することはありません。しかし、妊婦や抵抗力が落ちている方が感染すると重篤な症状が出ることがあるため注意が必要です。
肝炎の症状
初期症状はほとんどありません。次のような症状が出たときは、すでに進行している可能性が高いと言えます。
- 身体がむくむ
- 倦怠感や疲労感が続く
- 食欲不振が続く
- 白目や肌が黄色くなる
- 発熱する
- 頭痛や関節痛が出る
- 嘔吐する
- 尿が黒褐色になる
- など
肝炎の原因
- 肝炎ウイルス性への感染
- アルコールの過剰摂取
- 自己免疫による障害
- 薬剤やサプリメントの摂取
- 非アルコール性脂肪肝
(生活習慣の乱れ 高脂血症や糖尿病などから起こる) - など
肝炎の治療法
B型肝炎
B型肝炎ウイルス量を減らすため、インターフェロン製剤の注射を行います。インターフェロンは、身体に直接働きかけてウイルスを排出させたり、免疫の反応を強くしたりする効能を持ちます。
また、核酸アナログと呼ばれる経口薬を使う治療もあります。
インターフェロン治療か経口薬治療かは病状や病期によって専門的に判断する必要がありますので、肝臓専門医にご相談ください。
当院で相談・検査・治療が可能です。
過去にB型肝炎と診断されたがもう治ったといわれた方へ
以前は治っていると判断された方の中にウイルス持続感染が続いており、肝炎が再度悪化して重篤化する方がおられます。特に10年以上前にかかったけれど治った、と言われた方は注意が必要です。B型肝炎の治療経験が豊富な専門医にご相談ください。
当院でもご対応いたします。
C型肝炎
かつては、インターフェロン治療が主流でした。現在では副作用が少なく高率にウイルスが駆除できる経口薬があり、インターフェロン治療はほとんど実施されなくなりました。
高齢者、肝硬変(進行例を含む)などリスクの高い方を含めてほとんどすべて患者さんで経口薬治療が受けられます。
当院でも実施可能であり、C型肝炎ウイルスに感染しているといわれた方はぜひ当院にご相談ください。