院長に聞く内視鏡検査・健診への想い

命を守るためにも・今の生活を守るためにも
定期的な胃カメラ検査の受診を

定期的な内視鏡検査（胃カメラ検査）の重要性について教えていただけますか？

胃カメラ検査は胃がんの早期発見に有効な検査で、胃がんは早くに見つければ高確率で治せる病気です。
なのに、検査を受けずに進行させてしまうのはとても“もったいない”ことだと思っています。

進行しても手術で治すこともできますが、胃の手術を受けるとその後のQOL（生活の質）の低下を招く恐れがあります。
なので、「命を落とさなければいい」ということではなく、ご自身の身を守るためにも、今の生活を守るためにも、年1回などの定期的な受診を強くおすすめします。
特に40歳…もう少し早くてもいいくらいで、30歳を過ぎてこれまで一度も検査を受けたことがないのであれば、1回は受診してほしいですね。

検査の負担・苦痛が心配な方も多いと思いますが？

検査時の負担・苦痛が心配な場合には、鎮静剤を使ってほとんど眠っているのと同じ状態で検査を受けていただくこともできますので、過度にご心配いただく必要はないと言えます。
「苦しくて、もう二度と受けたくない」と思ってしまうようなつらい検査ではないと思いますので、安心してご連絡ください。

胃カメラ検査を実施する時に心がけていることは？

観察の精度、画像の精度、内視鏡の操作性などに関して、自分が“ベスト”と思える検査を実施して、的確に診査・診断することです。
当院では現在、経鼻内視鏡検査（※鼻から内視鏡を挿入する方法）は行っておりませんが、これは観察、画質、操作性などで自分が理想とする検査が行いやすいと感じているからです。
せっかく検査を受けていただくわけですから、「ちょっと見づらい部分があったな…」ということで終わらせたくはありません。
検査する以上、隅から隅まできちんと観察して評価したい。
そのためにも経口内視鏡検査（※口から内視鏡を挿入する方法）にこだわっています。

ただ、以前は地域の病院で内視鏡検査を手伝っていたことがあり、そこでは経鼻内視鏡検査を行っていました。
決して経鼻内視鏡検査に対応できなかったり、否定したりしているわけではなく、あくまで今のしんがきクリニックのベストな検査方法として、経口内視鏡検査を選択しているというわけなのです。

あと、経鼻内視鏡検査の場合、ごく稀に鼻腔内を傷つけたり、鼻出血が起こったりすることがあり、当院ではきちんと対応しきれない部分があるので、そういうことも考えて今の時点では経口内視鏡検査がベストだと考えています。

「自分は健康」という人にこそ
定期的に健康診断を受けてほしいと思います

しんがきクリニックではどんな健康診断が受けられますか？

まずは海南市・紀美野町が行っているがん検診です。
胃がん検診、大腸がん検診、肺がん検診などが当院で受けられます。
あとは生活習慣病の早期発見・予防に繋がる特定健診です。

どちらの健診も健康維持のために大切なものとなりますので、是非、積極的に活用していただきたいですね。
どちらも対象となる方であれば無料で受けられますので、お気軽にご連絡ください。

定期的に健診を受けることの重要性についてはいかがですか？

あまり健康診断を受けたことがない方というのは、多くが“体の調子が良い人”だったり、“病気したことがない人”だったりするのですが…実は「自分は健康・元気だから、健診は必要ない」という考えが一番良くないのです。

健康診断というのは基本的に生活習慣病（※糖尿病、高血圧症、脂質異常症など）などの慢性疾患を早期発見するために受けるもので、症状のあるなしにかかわらず定期的に受けることが大切です。
「病気ではない」と思って受けないのではなく、「病気のつもり」と言いますか…今は表面化していない病気を早期発見するつもりで健診を受けることが大事なのです。

健診で異常が見つかったらどうすればいいですか？

そのままにせずに、きちんと通院して治療を受けるようにしてほしいです。
健診を受けただけで満足してはいけないということです。

ただ、この点に関して少し問題がありまして…健診を受けた方から結果を見せていただくことがあるのですが、内容を確認してみると“結果が軽く書かれている”傾向にあるように感じることがあります。
検査項目で異常値があっても、「生活習慣に気をつけましょう」「お酒の飲み過ぎに注意しましょう」「健康に気をつけましょう」ということくらいしか書かれていないことがあり、そうすると患者様は「病院に行くほどではないかな？」と思ってしまいがちです。

なので、健診を受けて少しでも異常値があれば、一度地域のかかりつけ医にご相談いただくことをおすすめします。
そういう意味でも繰り返しになりますが“健診を受けただけで満足してはいけない”ということですね。